2025/10/10 20:30

こんにちは。

この度は当サイトまでアクセスしていただき、ありがとうございます。

今回は制作にまつわる話をします。お目通しいただけると幸いです。





コンパクト二つ折り財布「ましかく」を制作するに至った経緯は、一番はじめのブログにも書いた通り、今春に「ぼくのかんがえたさいきょうの財布」を作ろうと思い立ったからです。

今までに試作したものの中で転換点を迎えた作品を5つピックアップして、その経緯の詳細を語ります。



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財布を初めて作ったのは2年前の夏でした。

なんとなく、ズボンのポケットに入れられるような、小さくて使いやすい自分用の財布を作ろうかなーと思い、制作に取りかかりました。





革の種類も選び方も、床面(革の裏面)やコバ(革の断面)の処理も知らず、100均のカッターを使って切り、唯一所持していた茶色のロウびき糸で縫いました。今見るとなんとも酷い出来です。

それでも当時は初めての型紙作りで右も左もわからない状態なのに、いっぱしに方眼紙で何度も仮組みしました。


嫌いな夏でうつ病も酷い時期でしたので、思い付いたことが一瞬で記憶から消え去ったり、今何をしているのか突然わからなくなったり、何時間も寝ずに型紙設計に没頭したりと、あまり良い思い出とは言えません。

そんな中なんとか形にして、1年間ほど愛用していました。



そして今年の4月に、もう少しクオリティの高い自分用の財布を作ろうと思い立ちました。



完成したのがこちら。

「そこそこコンパクトで、ある程度の収納力」を目指しました。

床面やコバの処理を知り、YouTubeでいろんなブランドの財布を見て参考にしました。


初めてバネホックを取り付けたのですが、これがなんと難儀なことか。

このような金具は基本的に、打ち具を介してハンマーで叩いて取り付けます。

そう、うるさいんです。集合住宅でやるもんじゃないんです。

なんとか消音に努め、ハンマーで叩くところにハンカチを挟んだり、クッションの上で作業をしたりしましたが、ひとつ取り付けるのに多大な労力がかかりました。

(お金さえ積めば、一瞬で金具を取り付ける道具が手に入るんですがね…。)


そしてこの財布、まあまあ良い出来だと思ったのですが、勝手に開くし結構デカい。改良のため、頭がぐるぐる回ります。


次に完成したのがこちら。

「お札もカードも小銭も全部いっぱい入るものを作る」を目指しました。コンパクトさを一度捨てています。


懲りずにバネホックを使用していますね。

おかげで財布が勝手に開く悩みは解消されました。

札入れに余裕を持たせるため、端を内側に巻いて縫う方法を考案したのですが、とても縫いづらく、厚みが出てしまう結果となりました。


この頃から、利き手を問わず使えるようにするには、横向きではなく縦向きの札入れにする必要があるのでは、と考えるようになりました。



そうしてできたのがこちら。「ましかく」の前身となる作品です。

「利き手を問わず、バネホックを使わず」を目指しました。

どちらもクリアしているのですが、なんだかギボシを妥協で使っている感じがして気に入りませんでした。ギボシは悪くないのに。


小銭入れも、フラップを差し込むところがないので財布を開けた拍子に小銭が落ちてしまう…そうやってまた頭がぐるぐる回りました。



次に目指したのは、「ギリギリのカードポケット、カードと小銭の重ならない設計」です。

「ましかく」になる一歩手前まで来ました。

メインカードポケットが上段、小銭が下段になるように、ひとつの場所にまとめたらいいのでは!?と思い付いたときは自分が天才なのかと錯覚しました。


実際に作ってみたら、小銭が飛び出すこともなく、カードも数枚収納可能。しかもカードの横幅ギリギリを攻められた。

これで完成や!!…と思って実際に使ってみたところ、小銭を「取り出す」のがやりづらい。

カードと小銭を重ならないようにしたのは良いが、底に溜まった小銭を取るのはおろか、どれが50円玉でどれが100円玉かわからん…という悩みにブチ当たりました。

500円玉だけは、中央のポケットに入れれば一目瞭然だったのですが。


さて、現行の「ましかく」と何が違うのかといいますと、



カードポケットとの仕切りを進化させ、手前に傾けて小銭を堰き止めてくれる、「受け皿」にしたことです。
これを思い付いたときは己が天才だと確信しました。
…天才かどうかは置いといて、いろんな作品を見て、参考にして、たくさんたくさん考えた時間の結晶だなと、感慨深かったです。

仕切りを進化させたことにより、小銭が取り出しやすくなっただけでなく、カードが安定して入り、フラップの差し込みがスムーズになりました。
少し厚みが出てしまいますが、それを上回るメリットがありますし、使い込むと折り目に癖がついていきますので許容範囲内と判断しました。

そうして、「ましかく」という名前を付けて販売を開始したのでした。




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今回は掻い摘んだとしても書くことが多く、とても制作「小話」とは言えないのですが、ここまで読んでくださりありがとうございました。

今回紹介した発展途上の作品たちはほんの一部で、紙の上で頓挫した設計や、とても使うことはできない失敗作もたくさんありました。
寝ても覚めても頭の中で財布を作った3ヶ月間はとても有意義だったと思います。
それを少しでも共有出来ていたら幸いです。

これからも精進して参ります。